2008年8月18日 (月)

【メディアファクトリー】『幽』怪談文学賞受賞作

クラゲ湧きまくり!空腹@海の家ですmist

 

今年より妖怪まつりにご参加いただいています、日本初の怪談専門誌『幽』。23日に開催されるトークイベント『怪談ノ宴』や、ミニ怪談イベントが開催されるだけでなく、今回、特別物販や百鬼妖怪展でも『幽』の世界に触れることができます。

 

その中から今回は『幽』怪談文学賞受賞作関連の書籍と展示をご紹介します。

 

●あちん 雀野日名子

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第2回『幽』怪談文学賞 短編部門大賞受賞作。

ある地方都市。戦争中に空襲を受けた大勢の人が飛び込んで亡くなったお城のお堀に、犠牲者の念が黒い藻草になって棲みつき、雨の日に通りかかる人の影を喰らうという『オホリノテ』。その怪異に遭遇してしまった主人公の若い女性が、次々と怪奇現象に襲われます。お堀端を徘徊する気味の悪い老人・鉄五郎の“あちん!あちん!あちん!”という叫びの意味は!?やがてそれが判明したとき、浮かび上がってくる悲しい過去・・・本書は、表題作を皮切りに、“見えてしまう人の優しさ”故に、怪異が寄ってきてしまう主人公を描いた連作になっています。度重なる心霊現象の果てに、主人公がするある決意に、心を揺さぶられます。

 

●遊郭(さと)のはなし 長島槇子

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こちらは、おなじく第2回『幽』怪談文学賞の、長編部門特別賞受賞作。

江戸時代、吉原遊郭は、また怪談の巣窟でもあったといいます。吉原遊郭「百燈楼」を舞台に、そこに伝わる七不思議を、呼び込み、女将、幇間らが立ち代り語り手をつとめる前半は、さしずめ怪談落語の連作のような楽しさ。それが後半一転、聞き手を巻き込んだ大スペクタクルへと雪崩れ込む圧巻の展開が、マッタリとした怪談話かな~と思った予想を裏切ります。
花魁どうしの確執から、凄惨な事件が起きるくだりなんかは、これは女性作家ならではの残忍さか!?(失礼!)と、読んでて冷や汗をかきましたcoldsweats02 油断大敵の本格ホラーです。

 

●獣王 黒史郎

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百鬼妖怪展で展示中の『天野行雄&山下昇平プレゼンツ~黒のコレクション~』には、この『幽』怪談文学賞に関係の深いオブジェも多数出展されています。

 

日本物怪観光の天野さんが手がけられた、怪しい明かりを燈す『青行灯』は、『幽』怪談文学賞受賞者に贈られたもの。その脇で、青い瞳で佇む人形は、黒史郎さんの『獣王』の表紙に使われたのもです。

 

黒史郎さんは、『夜は一緒に散歩しよ』で、第1回『幽』怪談文学賞・長編部門大賞を受賞。夜になると“人間とは思えない何か”に変容する娘に戸惑う父が印象的な一冊でしたが、『獣王』での“人間とは思えない何かへの変容”ぶりは、ますます徹底!日々、動物園にやってきては、一種類の動物の形態模写をする謎の女性。その不思議な魅力に惹かれた飼育員が、家に連れ帰ってみると、そこで彼女は驚きの行動を!!

異界への愛と憧憬に満ちた、幻想小説。夜の動物園に漂う、不穏さや野蛮さに惹かれる夢想家に、強くオススメですleo

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